高気密・高断熱住宅のメリットとデメリットについて詳しく解説します

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高気密・高断熱住宅は、断熱材や二重窓などにより家の保温性と気密性を高めることで外気からの空気を入れないようにし、屋内空気を外に逃げないように施した住宅です。

そのため、冬は暖房で温めた空気が逃げにくくなるため、暖房効率が向上します。

これにより冬は暖かく快適に暮らせるだけでなく、電気代の節約にもなります。

しかし、それだけに終始してしまうと夏は逆に暑くなるというデメリットもあります。

高気密・高断熱住宅にする前に、このようなデメリットも知り、適切な対策を知っておく必要もあります。

ここでは、高気密・高断熱住宅のメリットとデメリットについて詳しくお伝えしていきますので参考にしてみてはいかがでしょうか。

1.高気密・高断熱住宅のメリット

まずは高気密・高断熱住宅のメリットを見ていきましょう。

冬は暖かく省エネ

冒頭でもお伝えしましたが、高気密・高断熱住宅のメリットは何と言っても、気密・断熱性が高いことにより冬の暖房効率が良くなり、暖かく快適だという点でしょう。

そして、暖房の効率が良くなることで電気代が安くなるというメリットもあります。

ヒートショックの心配が少ない

また、空間構成をしっかりと考える事で家の中全体の温度が一定になり安定するため、ヒートショックの可能性も減ります。

ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧や脈拍が高まり、最悪の場合死亡してしまうという現象です。
お風呂に入った時など高齢者によく起こる症状で、年間1万4000人がこのヒートショックにあって亡くなっていると言われています。これは年間の交通事故者数よりも多いので、深刻な問題です。

更に気密性が低いと、冬は目に見えない隙間から室内に冷気が侵入してきます。そのためどんなに暖房をかけていたとしても、冷気の侵入口付近は寒いまま。

夏の場合は逆に熱気が入り込みます。そして冷房によって冷やした冷気が外に漏れてしまいます。そのため気密性の低いまま断熱材ばかり分厚くしてもあまり意味がありません。

逆に気密性をどんなに上げたとしても、断熱性能が低いと壁や窓から冬は冷気が、夏は熱気が伝わってきます。

つまり高気密と高断熱はセットで考えていかなければいけないということです。

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2.高気密・高断熱住宅のデメリット

良い面が多い高気密・高断熱住宅ですが、デメリットも当然あります。以下では、そのデメリットについて説明していきます。

高気密・高断熱の家は開放性に欠ける“イメージ”がある

冷房代や暖房代をかけずに省エネで暮らしやすい住環境を実現するためには、家全体の隙間をなくして性能の良い断熱材を使用する必要があります。これを尤も簡単に実現するには、開口部(窓)の面積を小さくすることです。

ご存じの通り窓は直接外気と接しますので、断熱性に大きな影響を与えます。また壁に比べて窓は断熱性が劣ります。真冬に暖かい部屋の中にいても、外気に接する窓を触るとひんやり感じますよね。

壁を触っても窓ほど冷たくはありません。それだけ壁と窓では断熱性能に違い出やすいのです。

窓の面積を大きく取るということは、冷暖房の効率を下げ、光熱費を上昇させるリスクがあるということなのです。

そのため、高気密・高断熱住宅を実現しようと思えば、窓などの開口部の面積を小さくするのが手っ取り早く有効です。

しかしだからといって安易に窓を小さくしてしまうと、家の中の明るさが不足したり開放感がなくなってしまいます。

春や秋など外の気温が過ごしやすい時期、窓を開けて気持ちよく過ごしたいと思っても、窓が小さければ風が通らず快適性に欠ける可能性があります。

せっかく季候の良い季節がある日本で豊かに過ごすなら、ある程度の大きさで断熱性能の高いサッシを採用し、窓周りのレイヤードを工夫する事も是非考えてみて下さい。

費用がかかる

高気密・高断熱の家を実現するためには、家を構成する断熱材や窓、躯体、設備など、それぞれの性能に気を使う必要があります。

例えば、断熱材を選ぶ際にはグラスウールやロックウールではなくセルロースファイバーやフェノールフォーム・ウレタンフォームなどにして、窓のサッシは樹脂製やアルミ/樹脂複合、或いは木製にするなど、外部と内部の間で熱の伝導をできるだけ抑える仕様のものを選ばなければいけません。
そして気密確保や結露防止のため従来無かった素材や処置を加える必要があり、外壁や屋根の造りが複雑になりました。

こうした断熱性の高い素材は価格が高く、例えば従来から使われていたグラスウールとウレタンやスチレンなどの高断熱材でその価格差は2倍以上。
また複雑な構成に対する手間もプラスされます。
高気密・高断熱の家は高付加価値であるが故にコストも割高なものとなりました。

ただし、導入費用は高額だとしても冷暖房機器の省エネ効果が高まるので、暑さ寒さのストレスが緩和されます。
先にも述べたヒートショックはもちろん、若い人であっても家の中での活動がおっくうにならなくなります。
この様なその後のライフスタイルに大きな違いが生じる事も忘れてはいけません。

空気が滞留しないように気をつけなければならない

高気密・高断熱の家を実現する場合、しっかりとした換気計画を立てなければ、室内の空気が滞留してしまう恐れがあります。

換気のための設備としては給気と排気の組み合わせが基本となりますが、もし、設備が正常に機能していなかったり換気計画が悪かったりすると、建材や接着剤等に使用される有機化合物が人体に悪影響を及ぼしたり、カビが付着しやすくなったりして、シックハウス症候群にかかってしまう可能性があります。

近年建築された家それ自体においては、使用する素材に法的規制がかけられているためその殆どが安全な数値に抑えられています。ですが家自体にホルムアルデヒド等が少なかったとしても、規制のない持ち込み家具からホルムアルデヒドが出てくる場合もあるので、換気には特に気をつけたいところです。

但し換気は効果的に機能するほど夏の暑さや冬の寒さを呼び込んでしまう事でもあります。こうしたエネルギー消費をより抑えられる“熱交換型”というものもあります。

夏は日差しを入れない工夫が必要

高気密・高断熱の住宅は、その性能の高さから一旦熱が入り込むと抜けにくいという性質があります。

そのため夏場は太陽光が入り易いとそこから生じた熱がこもり、暑くなります。

逆に冬場は積極的に太陽光取り込める事となりますが、夏の暑さが厳しい日本においては、夏は日差し制御を工夫したいところです。

日差しを防ぐ工夫としては、窓の外にすだれをかけたりシェードを張ったりすると良いでしょう。またゴーヤなどツル性植物を窓の外に植えてグリーンカーテンにすれば、植物の葉が太陽光を遮ってくれます。

また、窓の前に落葉樹を植えることによって夏は窓が日陰になり、換気をする際には緑を通った涼しい風を感じることができます。そして冬には落葉するので太陽光取り入れることができるようになります。

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4.まとめ

高気密・高断熱住宅は、住まいに快適性と省エネルギー性を求める方には最適な住宅です。

しかしそれを実現するためには、建築に必要な費用が従来の住宅に比べると大きくなります。そのため、ある程度余裕を持った予算立てをしなければいけません。

また窓を小さくすると断熱性能を高め易いことからそのような設計を標準とするメーカーも多くなりました。都市部の密集地など取り巻く環境によってはそれも良いのですが、季節を感じ、開放感のある住まいを求めるのであれば、開口部を大きく取りながらも、高い断熱性を保つことができる設計が良いでしょう。
こうした柔軟な設計ができる業者を選ぶのも一考と思います。

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