屋根材の種類と特徴(メリット・デメリット)について詳しく解説

屋根材の種類と特徴(メリット・デメリット)について詳しく解説

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屋根は風雨や雷雨、紫外線の脅威から建物を守り、家の寿命を大きく左右する重要な役割を持つ部分です。

しかし、屋根は居住空間として実際触れる場所ではないため、材質の検討をする際に、やや優先順位が下がってしまう方もいるのではないでしょうか。

全体の予算がオーバーした際に、コストダウンの対象として屋根材の変更を考える事もあると思いますが、後になって屋根材の重要性に気付いて後悔することもあります。

この記事では、屋根の種類とそれぞれが持つ特徴について説明していきます。これから家を建築予定の方やリフォームを検討されている方の参考になれば幸いです。

1 屋根材質の種類と特徴

1−1.コロニアル

コロニアル
新築で最も使用されている屋根材がコロニアルです。

セメント基材とパルプ繊維の強固な結合で生み出された素材でできている5㎜程度の薄い板状(スレート)の瓦です。

昔はパルプ繊維の代わりにアスベストが使用されていましたが、現在はアスベストに代わる補強用の超微粉末材を使用することにより、強い粘りと耐久性が認められています。

このため「化粧スレート」と呼ばれることもあり、「カラーベスト」という固有名詞でも親しまれています。
実際に雨漏りを防ぐのは、コロニアルの下に引かれているルーフィングシートです。このルーフィングシートの方がコロニアル自体よりも耐久年数が短いことが多く、定期的なメンテナンスが必要になります。

・コロニアルのメリット

安価で施工が容易、近年耐久性能も上がってきており、30年の耐久年数だといわれています。コストパフォーマンスに優れた屋根材と言えるでしょう。
また、グレードやカラーバリエーションが豊富、かつ軽量なので地震に対する安全性も高く、さらに工期が短い、対応できる業者が多いといったメリットもあります。

・コロニアルのデメリット

デメリットとしては、伝統的な純和風建築には質感やデザインに物足りなさがあること、10~15年スパンで塗り替えなど計画的なメンテナンスが必須といった点が挙げられます。
また、厚さが5mm程度ですので、人が踏んだ際に重量で割れてしまう可能性があります。さらに、コケやカビが生えやすいというデメリットもあります。

1−2 ガルバリウム鋼板

ガルバ
近年、屋根のリフォームでの使用が高くなってきている素材が、ガルバリウム鋼板です。

以前はカラー鉄板(亜鉛鉄板:トタン)がよく使われましたが、ガルバリウムの方が耐久性高く、近年普及したことにより「金属屋根」と総称されることもあります。

最近は戸建て住宅用として裏側に断熱材が充填された製品も出ており、幅広く選べる様になりました。
また、ガルバリウム鋼板がリフォームの分野で普及した理由は、前述のコロニアルの屋根に直接張る形の「カバー工法」というリフォーム法が認知されたということがあります。

・ガルバリウム鋼板のメリット

軽量であるため、地震時における高い安全性が大きなメリットとなります。

また、保護皮膜に覆われているので、錆びにくく、耐候性に優れています。この保護皮膜は、経年での退化を補うために塗り替えが推奨されてはいますが、20年程度と長周期です。
メンテナンスへの負担も軽減されるため、葺き方の多様性と豊富なカラーバリエーションにより、和風から洋風まで様々なスタイルに合わせられることもメリットです。

・ガルバリウム鋼板のデメリット

デメリットとして、強い雨の時に屋根をたたく音が大きい点が挙げられます。
近年は建物が高断熱化されてきていることと、上述した様に断熱材が充填された商品を選択することで音を抑える事も可能となりました。

また、価格的にはコロニアルより高価な傾向にあるのですが、トタンのような安っぽいイメージをされがち、という点もデメリットになるかもしれません。

1−3 瓦(陶器瓦・粘土瓦)

瓦
日本では古来から伝わる屋根材である瓦。飛鳥時代の瓦がいまだに現存するほど耐久性に優れています。
重さが地震に対して不安要素ですが、日本家屋に合った厳かな風合いを好む方も多く、洋風瓦も含めると屋根材シェアナンバーワンを誇ります。
瓦屋根は、見た目のその良き佇まい、これに尽きます。歴史があり、室町時代以降には鬼面をかたどった鬼瓦などが使用されていました。

・瓦のメリット

素材自体の耐久性は非常に高く、ほぼメンテナンスフリーと言っても良いくらいです。

何百年も前の建造物が現存しているのも、その屋根に瓦という耐久性の高い素材が使用されていたからかもしれません。初期費用は高いですが、長い目で見ることができれば、コストパフォーマンスが高い屋根材とも言えます。

親子数世代に渡って暮らすという前提で家を建てるのであれば、瓦屋根がおすすめです。ただ、瓦屋根は、耐久性で選ぶよりも、その厳かな雰囲気で選ぶ人が多いようです。

・瓦のデメリット

デメリットは前述の通り初期費用が高いことです。
本物の和瓦であるほど耐久性が高いのですが、それに伴って高価になります。

また、重量が非常に大きいため、耐震性を考慮した場合に、建物自体の強度を上げる必要があります。素材自体の耐久性は高いですが、屋根面として考えた場合はメンテナンスが必要で、のし瓦部分の漆喰は経年劣化するため、その点に関しては補修や交換が必要となります。

強い台風が来た際に、飛散してしまう危険性があるというデメリットもあります。

1−4.銅板屋根

銅版2
銅板屋根は、古来より屋根材として用いられた優れものです。

銅が持つ様々な特性が日本の風土、気候に適していることは先祖より伝えられています。また、特徴的なのはその色合いで、銅が錆びることによって出る青緑色は、「緑青」と呼ばれ、アメリカの自由の女神も、この緑青の色合いをあえて取り入れています。
しかし、近年では神社、仏閣以外の一般住宅で見かけることが非常に稀となりました。

・銅板屋根のメリット

メリットは非常に軽く仕上がりも軽快で、数寄屋建築など、深みのある和の趣が得られることです。ちなみに鎌倉の大仏も銅板で作られています。気候や環境にもよりますが、きれいに緑青(錆)がでると味のある佇まいに変貌します。

また柔軟性のある加工が可能なため、優美な曲線を施した屋根形状が可能となります。

そして、メンテナンスが基本的に不要で、50年以上の耐久性を誇るところも特筆すべき点でしょう。最低限のメンテナンスを行えば、優に100年は持つといわれています。

・銅板屋根のデメリット

デメリットは、まず銅という素材自体が価値あるものであるため初期費用が高い事が挙げられます。

また、価格と厚さのバランスを考えると、0.3mmや0.4mmという薄さになってしまうため、デリケートな扱いを要し、留め付けの釘などには相性の良い素材を用いないと劣化が進みますので、扱いを知った業者選びが必要です。

そして、その薄さと軽さのために、雨の音が住宅の内部に入り込みやすくなります。

また、先に柔軟性があると記しましたが、反面凹みやすいと言う事も出来ます。ただし、そこまで神経質である必要はないでしょう。

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2 まとめ

屋根は外壁よりも雨や雪、紫外線などが直に当たるため、天候の影響を強く受ける過酷な環境にさらされるため、どれを選ぶかは非常に重要です。

デザインや価格が優先されることもありますが、素材の特徴を理解し、耐久性やメンテナンスの際の費用も含めて検討しましょう。

また、コストもそれなりにかかる部材であるため、わからないところは信頼できる専門家に相談し、後悔のない屋根選びをしてください。

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