住宅の断熱材を比較し、家づくりの参考にしよう

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電気や石油・ガスなどののエネルギー不足は世界的に深刻な問題となっていますが、特に資源の少ない日本ではエネルギーがあまり自給できず、国を挙げての省エネ対策が進んでいます。

住宅の分野でも、こうした省エネ対策に高いレベルで対応できるよう、高機能な建材が数多く出ています。
特に断熱材は様々な種類のものが流通しており、住まいに合ったものを選ぶことで冷暖房の効率も格段に上がります。

そんな断熱材の種類やそれぞれの特徴について、具体的にご紹介していきます。

住宅の断熱材とは?

そもそも断熱材とは、外の寒さや暑さを室内に入れず、室内で作った暖かい空気・冷たい空気を外に逃がさない、魔法瓶のような役割を担う住宅用の建材です。

工業の分野では「保温材」とも呼ばれ、その原理から、熱の移動を防ぎ、熱の伝わりを最小限に抑えるものが、冷暖房効果を高める良い断熱材であるとされています。

断熱材は、いわば建物にとっての「洋服」。天井や壁、床下などに仕掛けることで建物全体を包む込み、内外環境の変化から建物を守ります。

冬は暖かく夏は涼しい環境を保ってくれる断熱材は、快適なマイホームづくりに欠かせない重要な要素なのです。

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断熱材の種類

では早速種類別に断熱材の機能や価格の目安を見ていきましょう。
なお、参考価格は延床面積40坪ほどの住宅1棟における概算費用とします。

繊維系断熱材

繊維系断熱材は非常に細い繊維の集合体でできており、その繊維の間に空気を閉じ込めることで空気層を作り断熱します。

グラスウール 参考価格:25万円

これまで住宅に最も多く用いられてきたのがガラス繊維でできたグラスウール。その流通量から、他の断熱材と比較しても価格が圧倒的にお手頃であることで知られています。
機能面においても、ガラスでできているため、当然ながらシロアリなどの害虫や、火災にも強いというメリットがあります。
そして、実はグラスウールは吸音効果がある建材としても定評があり、映画館やコンサートホールといった公共の建築にも使われているのです。
住宅でも、シアタールームを作る場合やピアノなどの高音域の楽器を演奏する場合には特に人気があります。

ロックウール 参考価格:30万円

グラスウールに次いで古くから使われてきたのがロックウール。岩を高温で加工した繊維であり、「岩綿」とも呼ばれます。
「岩綿」は石綿(アスベスト)と異なり、原料となる岩石が異なるとともに繊維が太いため呼吸などで体内に取り込まれる心配がありません。
ロックウールも耐火性や吸音性、撥水性が高く形状安定に優れていることから、様々な建物用途に用いられます。

セルロースファイバー 参考価格:100万円

主に古新聞紙を加工し、繊維状に成形した断熱材です。
紙からできているため湿度の調整機能(吸湿性脳)に優れており、結露対策にも効果が期待できます。
紙が原材料ではありますが、ホウ酸や硫酸アンモニウムなどを特殊技術により配合することで、防火機能や害虫予防効果も持たせているのが特徴です。
費用はかかりますが、環境に優しく機能性も高いハイブリッドな断熱材として、近年人気が高まっています。

羊毛断熱材 参考価格:50万円

衣服に使われるウールを使用した断熱材です。
衣服として流通できなかったリサイクル用の羊毛を断熱材として生まれ変わらせたもの。
羊毛ならではの調湿性や熱の伝導を抑える効果があり、結露の気になる住宅や自然素材を好む家庭から多く採用されています。

ポリエステル断熱材 参考価格:50万円

ポリエステル断熱材は、ペットボトルの再生材で作られています。
湿気を吸わないため、断熱性能が低下しにくいのがメリット。
また他の繊維系断熱材に比べ繊維が柔らかくチクチクしないこともあり、施工者に好まれている建材です。

発泡系断熱材

チップ状の発泡材を圧縮させた発泡スチロールが馴染み深いです。特殊な樹脂を発泡成形した断熱材で、発泡体内部の微細な気泡に空気を閉じ込めることで断熱します。

ポリスチレンフォーム 参考価格:55万円

水や湿気に強くて軽いのがメリットであるポリスチレン。
施工が容易であるため、価格も比較的お手頃です。シックハウスの原因物質であるホルムアルデヒドも含まないため、アレルギーを持っている方や小さなお子様のいるご家庭にも好まれます。
施工方法はポリスチレンを連続して発砲させる「押出発砲法」とビーズ状のポリスチレンを金型に入れ発砲させる「ビーズ法(EPS)」があり、ビーズ法の方が、より施工期間が短くできる傾向にあります。

ウレタンフォーム 参考価格:70万円

ガス系の発泡剤を充填させて作っています。他の断熱材と比較してより熱を伝えにくく耐久の高い建材で、歴史も長いため品質も安定しています。

フェノールフォーム 参考価格:75万円

北欧の住宅にも多用される高品質の断熱材。不燃・準不燃の認定を受けている商品も多く、防火性や耐薬品性に特に優れていることで知られています。
フェノールという樹脂材に発泡剤や硬化剤を加え板状に成形しており、防火性については炎に触れても有毒ガスがほとんど出ないため、店舗や施設にもよく用いられています。

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施工方法による比較

ここまでは断熱材の種類について見てきましたが、種類によってどのように施工をするかが異なってきます。
建物の中で最も断熱効果を発揮し易い箇所が種類により異なり、その箇所が外壁の外側か外壁の中かに大別されます。
それよって工事をするタイミングや適切な施工方法も異なりますので、断熱材の種類と工法はセットで考える必要があると言えます。
それぞれの特徴を把握した上で、ご自宅に合った組み合わせを検討してみてください。

外張り断熱

外断熱と呼ばれることもありますが、木造住宅の場合では外“張り”断熱が正式名称。
柱や梁などの外側、つまり外壁側に断熱材を張り付ける工法で、ウレタンフォームやポリスチレンフォーム、フェノールフォームなどが主に使用されます。

構造躯体が断熱材の内側にすっぽりと包まれるため、屋外の環境から躯体を守ることができるのが大きなメリットです。また、躯体である木材の外側をぴっちりと覆うように施工するため、室内の気密性を保ちやすいというメリットもあります。
外壁の中に断熱材を詰める充填式の断熱に比べ、造り方によっては室内スペースを広く確保することも可能です。ただし施工には手間がかかるため、一方で費用面では高くなりやすいデメリットも。

充填断熱

内断熱と呼ばれることもありますが、それはRC造など構造体の内側に施工するもので、木造の場合は“充填(じゅうてん)”が正式です。
断熱材を壁や屋根架構の中に詰め込んでいく工法です。屋根ではなく天井裏に敷き込む方法をとることもあります。主にグラスウールやロックウールといった繊維系の断熱材が用いられます。
断熱材の施工自体は比較的容易で費用が安い反面、木材や断熱材同士の取り合い部分に隙間ができやすいというデメリットもあるので注意が必要です。
現在は気密性を確保するため、断熱材の内側にビニル系の防湿シートを張り込む手法と併用するのが基本となります。

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まとめ

住まいの断熱材の種類についてご紹介いたしました。

一言に「断熱材」といってもその材質によって大きな差があることがお分かりいただけたと思います。
施工法も併せて考えると工期やコストにも影響があり、よくご理解いただいてご採用いただくことが必要です。
断熱材には一長一短があり、何がベストかを言い切ることは難しいところです。
どの材料であっても、適切な工法を用いることでしっかりとした性能を発揮してくれます。
どの様な住まいを建てたいのか、価格と機能性をバランスしてそれにはどの断熱材が最適かを、専門家としっかりご相談なさることが大切です。

断熱をしっかりして結露を抑えるのはとうぜんとして、「和風のつくりを表現したい」「防音効果がしたい」「自然素材で安心できる生活を」など。
このように手に入れたい生活スタイルを具体的にイメージして、その目的に合った断熱材をお選びいただけたらと思います。

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