もし、家を建てる土地を探しているとしたら、あなたの場合、何を重視しますか?
駅やバス停が近い、スーパーやコンビニが近いなどといった利便性を重視する人もいるでしょうし、静かさや、自然の豊かさなどといった環境を重視する人もいるでしょう。
そこに金額の問題なども絡んでくるので、希望する条件に見合う土地を見つけるのは案外大変なことです。
一言で「いい土地」と言っても、その人によってどういう土地が良い土地で、どういう土地が悪い土地かは変わってきます。
建てたい家の構造や雰囲気などによっても、土地選びのポイントは変わってきます。
このように、善し悪しが非常に流動的な土地探しですが、いくつかの押さえておいてほしいポイントや、土地探しのコツのようなものがあります。
具体的に購入をするという段階になれば、不動産業者に依頼するということになりますが、依頼する前にある程度希望の地域を絞れるようにしておくのが良いでしょう。
そのため、この記事ではそれらのコツやポイントをご紹介します。
1 欲しい土地の周辺・地域をよく知ること
地域性を知るというのは非常に重要です。
例えば、半径500メートル以内の隣接する場所に、ある2つの町があったとします。片方は昔から人が住んでいる町で、古い家が多く、治安があまりよくない。もう片方は新たに開発された町で、新しい家が多く、治安も良い、という場合があります。
もともと住んでいた土地や、知っているなじみの深い地域であれば、そのような地域性についてはある程度はわかると思いますが、詳しく知らない場所で土地を探すという場合は、実際にその土地を訪問し、その土地を中心として半径1キロ程度ぐるぐると回ってみると良いでしょう。
また、以下のような視点でその土地の特徴を見てましょう。
・最も近いスーパーの場所
・半径1キロ以内に何件のコンビニがあるのか
・狭い道路や一方通行など不便な道路状況ではないか
・周辺に坂が多くないか
・騒音はうるさくないか
・車の通りは多いのか少ないのか
・クリーニング屋さんが近くにあるのか
・学校や市役所などといった公的な施設は近くにあるのか など
このように様々な角度からその土地を見ることによって、改めてその土地の良い部分や悪い部分が見えてくることでしょう。
また、過去に大きな地震があった土地の場合、その地震によって受けたダメージが表面に残っている場合があり、それらはその土地の地盤を調べるヒントになります。
例えば、古いブロック塀にヒビが入っていたり、今は誰も使っていない古い建物に崩れた跡があったりする場合は、過去の大きな地震によって受けたダメージがそのまま残っているという可能性があります。意識して見てみましょう。
車を使って、広範囲をぐるぐる回ってみるのも良いのですが、おすすめは「歩いて」回ることです。
車だと、なかなか距離感がつかめません。歩くことで、場所と場所の距離感をしっかりとつかむことができます。
時間がない場合や、広範囲を見て回りたい場合などは、レンタサイクルを使用するという方法もあります。その土地の最寄り駅のレンタサイクルを利用して、周辺を散策してみると良いでしょう。
時間を効率的に使いたいのであれば、グーグルマップの、ストリートビューを使って予め周辺の状況を画像で見ておき、予習をした状態で散策のルートも決めてから向かうと良いでしょう。
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2 土地(物件)自体を知ること
人によって希望する条件は異なりますが、共通して「良い土地」とされる土地の条件は、地盤がしっかりしているということと、風通しがよいということです。
地盤がしっかりしていれば、地震があった際にもダメージを最小限に抑えることができますし、風通りがよければ、空気が中にこもるということがありません。大まかな視点で判断するとすれば、この2つの条件は最低限クリアしておきたい基準ということになります。
その土地の地盤が良いかどうかは、土地の調査を行わなければ、はっきりとしたことはわかりません。しかし、周辺の調査データを参考として見ることができるので、そのような資料があれば活用していきましょう。
また、周辺の地形も意外と地盤の判断材料になることがあります。
高低差がある地域や、地名が「〇〇丘」となっているような高い位置にある土地は、おおむね地盤が安定しているので、周辺の調査データも良い数字であることが多いです。また、傾斜が少なく、密集していないような地域の土地も地盤がしっかりしていて良い土地であるよう場合が多いです。
しかし、高低差が大きすぎる場合、その土地は歩くのに不自由があったりするため、建築を始める場合の安全性を考慮しなければいけなくなります。その分費用が上乗せでかかってしまう可能性があるので、必ずしも良い土地とはいえないケースがあります。
このあたりは、前の項目で説明したように、実際にその土地を歩くことである程度知ることができるでしょう。
逆に、「〇〇谷」や「〇〇沢」といった、川を連想させるような地名の地域の土地は、周りの土地よりも1段階低かったり、川のすぐそばの土地であり地盤が良くなかったり、水はけが良くなかったりすることがありますので、注意が必要です。
ただし、必ずしもこういった地名の土地が良くないわけではありません。地域全体が平坦で、あまり密集しておらず道路が広く整備されているような土地は、良い土地と言えます。ちなみに世田谷の高級住宅地は「〇〇沢」という地名の土地が多いです。
また、その土地が以前にどのような使われ方をしていたかがわかると、なお良いでしょう。以前からずっと住宅が建っていた地域だったのか、それとも昔は畑だったのか、あるいは工場だったのかなど、以前のことがわかると、家を建てる際に地盤に対策が必要なのかどうかがわかります。
つまり、家を建てるにあたって付帯工事の必要性が予測できるので、予算の見積もりを立てやすくなるのです。地盤が悪い場合、地盤の改良や杭工事の対策費用が100万円以上かかることがあるので、その土地の地盤の情報は知っておきたいところです。
さらに、その土地の存在する都市計画によって、建ぺい率や容積率というものが決められています。
この数字は、実際に建物を建てることができる面積や、何階建てにできるのかという部分に関わってくる非常に重要な数字です。
地域によってはこの建ぺい率や容積率によって、2階建てが中心になってたり、3階建てが中心になっていたりして、環境が大きく変わります。これらの数値もあらかじめ調べておく必要があるでしょう。
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3 まとめ
いい土地を見つけるためには、まず地域性を知ることが大切です。
地域性を知るためには、実際にその土地に足を運び、その地域が自分の好みであるか、周辺環境がどうかなどを知ることができます。人によって何が良い土地なのかという判断基準は変わりますが、「いい家を建てられて長く安心して暮らせる土地」が、どんな人にも共通するいい土地の条件でしょう。
安心して長持ちする家というのは、日当たりや風通しがよく、湿気がこもらない丈夫な家ということになります。
また、地盤が安定していて地震が起きてもその影響が少なく、倒壊のリスクが少ないということも言えます。
このように考えると、風通しがよく地盤が安定している土地を見つけるということが重要になります。土地を探す場合、そういった家を立てるイメージを持って、探すと良いでしょう。
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