これからマイホームを建築しようと検討している人は
「住宅建築を検討しているけれど、どのくらい時間がかかるかわからない」
「住宅建築までに実際にどんなことをしなければいけないのか知りたい」
こうしたことにお悩みではないでしょうか?
よほどのことがない限り住宅建築を経験したことがない人が初めてでしょうし、戸惑ってしまうのも無理はありません。
そこでこの記事では、注文住宅を建築するまでに実際どんなことをしなければいけないのか、その流れを事前準備、契約するまで、引き渡しまでという3つの項目に分けて具体的に見ていきましょう。
事前準備としてやっておくべきこと
いきなり家を探すのではなく、最初の事前準備としてやるべきことは以下の2つが挙げられます。
- 情報収集と優先順位の絞り込み
- 資金計画を立てる
詳しく見ていきましょう。
情報収集と優先順位の絞り込み
住宅を建てる上では、まず情報収集を行い、そして優先順位を決めておきましょう。
というのも、あなたが100%満足する家を建てるのは相当難しいからです。
立地や条件を完璧に満たす環境と住まいを手に入れるのは非常に困難であり、プランが固まりにくく、家を手に入れるまでたどり着きません。
まずは家を作る上でこれだけは外せないと言える条件を決めておきましょう。
「でも何が重要か決められない」
そんな場合には少しずつ情報収集を行い、見学会などにも足を運びながら、どんな点を重視したいのか整理していきましょう。
- 絶対にリビングは南向きがいい
- 玄関は広くしたい
- 間取りとして4LDKはほしい
- 駅から徒歩10分以内がいい
- 公園が近いほうがいい
など、できれば5個から多くても10個くらいまでに優先順位は決めておくとスムーズです。
その際、間取りや設備といった「家自体の条件」と立地や周辺環境といった「環境の条件」で分けておくとわかりやすくなります。
そうすれば自分が住宅を建てる上で大事にするべきものを絞り込むことができます。
資金計画を立てる
住宅に求める条件がある程度固まってきたら、次に住宅にいくらのお金を使えるのか資金計画を立てます。
そのためには以下の数字を計算しなければいけません。
- 自己資本をいくらまで用意するか
- 無理のない返済ができるローンの借入額
- 負担しなければいけない諸経費の費用
これらをあらかじめ決めておきましょう。
これが住宅建築に使える予算です。
諸経費というと設計料や管理料などが浮かびますが、印紙税や仲介手数料、登記・表示登記費用、住宅ローン保証費用、ローン手数料、火災保険料、固定資産税清算金など多くの費用もかかります。
また建物本体以外にかかる付帯工事費(解体工事や外構工事費など)も押さえておく必要があります。事前に何にいくらくらいかかるのかをある程度明確にしておきましょう。
予算を早めに決めておくことで、住宅見学をしたときにもその予算でどこまでできるのか、優先順位と照らし合わせて本当に必要なのか、スムーズに結論を出せます。
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物件を決めて契約するまでの流れ
事前準備が終わったらいよいよ物件を検討していきます。
物件を決めて契約するまでの流れは以下の通りです。
- 物件または展示場の見学
- 住宅ローンの仮審査申し込み
- 建築設計に関する正式依頼
物件または住宅展示場の見学
個人邸見学会や住宅展示場などを見ていきましょう。
ここで予算や優先順位を明確化しておくと、見るべき点がはっきりするため、無駄なく精査できます。
もし予算や優先順位が不明瞭ですと良いところばかりが目についてしまい、あとあと苦労することになりがちです。事前にしっかりと確認することが大切です。
住宅ローンの仮審査
気になる物件が見つかったら次に銀行に仮審査の相談をしましょう。
仮審査は、申請者がそもそも住宅ローンを組むことができるのか、いくらまで借りられるのかを確認するために行われます。
仮審査では金融機関が本人の収入や職業などをチェックします。同時にどの程度の住宅を検討しているのか、プランと概算見積もりの提示を求められる事があります。ご自身の予算計画に基づきお眼鏡にかなう住宅会社に簡単な計画をお願いしますが、計画する土地の敷地測量図が必要となります。
住宅ローンを組む場合は、この仮審査を通過しなければ売買契約を結ぶことができず、その後の本審査にも進めなくなってしまいます。
具体的な設計検討
仮審査が無事完了したら、建築についてより具体的な相談を進めましょう。
この際に申込金を求める建築会社もありますが、正式に契約をした際には申込金は手付金や諸経費に充てられます。具体的といってもまだ契約前の大枠を決めるための設計相談です。ですが建物の基本骨格を決める重要な段階でもあります。
新しい住まいについての要望を伝え、周辺環境や建築法規も見込みながら間取りを起こしてもらいます。そしてそれに基づく概略予算書の提示を受けます。
注文住宅は施主それぞれ個別の希望に基づいて計画されるため、この段階では精度の高い見積もりが基本的に困難です。見積もり金額に関しては、最終的な誤差の範囲や別途必要になる金額などについて、担当者に良く確認する事が大切です。
建築設計の正式依頼~実施設計
基本プランに魅力を感じ、見積もりもご自身の資金計画内に収まる様であれば、正式な設計を依頼します。
業者によって設計契約を結ぶ場合や重要事項説明というかたちで書類を交わすなど様々ですが、いずれにしても設計監理に関し発生する費用についての承認を行う手続きです。取り交わす形態によって支払いも含めた諸条件が異なる事があります。必要に応じて約款も含めた説明がありますが、確認申請手続き等の諸手続も含めある程度の期間を要する作業になりますので、途中で生じた不足の事態への対応などきちんと確認しておきましょう。
実施設計(詳細設計)が完了したら完成図書に基づく最終見積もりを行います。
基本計画に比べ精度の高い設計図面になりましたので、見積もりの内容もより具体的なものとなります。電気配線など基本プランでは見えなかった部分も細部にわたって明らかになるため、金額的に想定の範囲内に収まっているかがポイントになります。
より納得のゆく住まいにするため、新たな希望を伝える事もあるでしょう。その際はそれによって金額がどの程度増減するのか、その都度確認する事をお奨めします。金額が想定から逸脱してしまった場合は改めて仕様や建築資金の調整を行いながら詰めますが、その時の負担が軽減されます。
工事請負契約の締結
設計図書と最終見積書がまとまり、ようやく建築工事請負契約の締結です。
契約の際は、業者より請負契約書とともに契約約款について説明があります。これは非常に重要な書類になりますので、自分でもきちんと確認できるようにしましょう。しっかり認識しておかなければ、トラブルに発展することも考えられます。
事前にこうした書類を読み込んでおき、疑問点などを整理しておくことがおすすめです。というのも条文・条項は多岐にわたり且つ平易な文体でないため、その場で説明を受けるのにエネルギーと時間を要するからです。
業者に依頼すればコピーをもらえます。契約をする1日前でもよいので、あらかじめ確認しておくと楽です。
なお契約するときには請負工事代金の最低5%以上は手付金(契約金)として支払う事となります。
但し絶対ではなく請負業者との相談は可能ですので、よく相談しましょう。融資条件の自己負担額が10%であれば、ここに自己資金を充てる事が多いです。
事情がある場合は、より早い段階で確認しておく事をお奨めします。
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契約後〜引き渡し前までの流れ
契約してから引き渡しまでにすることの流れは以下の通りです。
- 住宅ローン本審査
- 中間金の支払い
- 登記・火災保険などの準備
- 物件確認
住宅ローン本審査~ローン契約
契約が完了したら本審査に移ります。
仮審査のときから金額的に大きな変更がなければ、特別な事情がない限り審査に落ちることはないでしょう。
最終的に金融機関と正式な住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)を結びますが、これは基本的に建物完成後となります。住宅検査機関による完了検査により、建物が法的に問題無い事が証明されたうえでの手続きです。
また住宅ローンの契約の条件として火災保険への加入が条件となる事が殆どです。この時点で保険契約を済ませておく必要はありませんが、保険の内容や保険会社の検討もはじめておきましょう。
中間金の支払い
工事請負契約の際に取り決めた支払い条件を金融機関に伝える事で、工事途中での支払いに対応可能となります。その際、「先行融資」或いは「つなぎ融資」という手続きが必要となります。
本来金融機関からの資金融通は、建物完成後のローン本契約を経て実行されます。ですが注文住宅は個別の希望によって建てられるものでもあり、必ずしも万人向けではありません。長丁場の工事が終わって支払い困難となれば請負者側のリスクも高いため、工事途中での中間払いが一般的です。それに合わせて融通してもらうローン手続きです。
先行融資とつなぎ融資はそれぞれ条件があり、そもそもその制度を設けていない金融機関もあります。金利も異なりますので、予めよくご確認ください。
登記・火災保険などの準備
建物完成に際し、以下の手続きが必要になります。
- 表題登記
- 所有権保存登記
- 抵当権の設定登記(住宅ローンを使う場合)
表題登記、保存登記は自分で行なう事も可能ですが、複雑なため司法書士に任せた方が間違いありません。なお、ローンを使う場合は金融機関側で抵当権設定登記を行います。
またこれらの手続きと平行して、火災保険の手続きも完了させておきましょう。
物件確認
注文住宅の場合、工事完了時に建物に問題点がないか確認します。
具体的には以下の点について確認しておきましょう。
- 家の中に傷や汚れはないか
- 建具などは問題なく動くか
- 住宅設備が問題なく動くか
もし問題点がある場合は、問題を伝えて引き渡しまでに直してもらいましょう。
代金の清算と引き渡し
自己資金の場合、事前に工事代金の残金について確認し、引き渡し前までに入金手続きを終えたら正式に引き渡しとなります。
住宅ローンの場合は、工事中に生じた追加費用なども含め請負契約時と相違がないかどうか、そして残金がいつ支払われるかについての確認し、書類を取り交わします。このとき金融機関と相互の確認が必要となります。互いに了解が取れたら引き渡しとして家の鍵を受け取る手続きとなります。
引き渡しが完了したら、物件は正式に自分の所有物になるので、あとは引っ越しをして新居での生活を始めることができます。
住宅ローンを活用しない場合は保存登記が義務化されていませんが、所有権の明確化は重要ですので手続きなさる事をお奨めします。
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まとめ:住宅購入の流れを理解しスムーズな手続きをしよう
今回は住宅建築にあたり具体的な手続きの流れについてお伝えしました。
住宅建築までに注意するべきことは一見するとたくさんあるように見えますが、きちんと手順を踏んで対応すれば、大きなトラブルにならずに手続きを進めることができます。
もしマイホームの建築を検討しているのであれば、まずは自分が住宅を建築する上で、どんな点を重視したいのか、その優先順位をはっきりとさせることからはじめてみてください。