二世帯住宅を検討している人が知っておきたいメリットとデメリットについて

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二世帯住宅には、玄関や浴室など、世帯間で一部でも共有する部分がある「共有型」と、同じ家屋内に住むものの、玄関はそれぞれ2つあり各々が完全に独立した「完全分離型」の二種類があります。

これから家を買ったりリフォームを予定していて二世帯住宅を検討している方は、それぞれにメリット・デメリットについて知っておく必要があります。

1.二世帯住宅のメリット(共通)

ここでは共有型、完全分離型どちらにも共通するメリットについて説明していきます。

1-1.建築費負担が軽くなる

建築する際、親世帯・子世帯それぞれの資金を一つの建物に充てられるため、各世帯が一軒ずつ別々に家を建てるよりも経済的負担が小さくなります。
このため親世帯としてはローンを心配する恐れも少なく家づくりに向き合い易くなり、子世帯も資金的余裕ができると言えます。

1-2.相続税が安くなる

日本では土地の資産価値が大きく、相続税においても土地に対する評価が高くなっています。
しかし、相続税のために家や土地を売却することになっては遺族の生活が成り立たなくなる恐れもあります。

そこで、そのような事態を防ぐため「小規模宅地の特例」という制度が存在します。
これは、共有型二世帯住宅・完全分離二世帯住宅の区別なく、「子世帯の子は同居の子」として、二世帯住宅に対応する敷地全体が相続税の申告期限まで居住と所有を継続することで、80%減額で相続できるというものです。

特例を受けるにはいくつかの要件がありますが、特に注意しなければならないのは区分所有登記ではなく単独もしくは共有登記として一つの登記にしておく必要があるということです。
必要な要件をみたすことができれば、相続税を最大80%減額できるので、相続を考えている人には大きなメリットといえるでしょう。

1-3.家族同士、助け合える

どちらかの世帯が留守中でも、どちらか片方の世帯が残ることで安心して旅行に行けたり、その間のペットの世話をお願いできたりというメリットもあります。
また、留守にしていても片方の世帯が残ることで空き巣などの防犯対策にも大きな効果があります。

家事の分担も行いやすく、一人ひとりにかかる負担を軽減することができます。
家族が体調を崩した際、看病や通院などのサポートを行いやすいというメリットもあります。
もし将来的に家族に介護が必要になったとしても、同居することでサポート体制がとりやすく、何かあった際も迅速な対応がとれるのです。

1-4.育児や教育にも効果的

仮に子世帯(夫婦)が共働きだとしても、留守中は親世帯に孫の世話をしてもらうことができます。
生活をともにすることで自然と躾がされ、あいさつなどの礼儀も学ぶことになり、育児に大きな効果があるといえます。
親世帯としても孫と生活をすることで日々の生活に張り合いができ、日々の充実感につながるというメリットもあります。

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2.共有型二世帯住宅のメリットとデメリット

二世帯住宅の共有型とは、それぞれの居住空間は独立しているものの、キッチンやリビング、玄関などが一つしかなく、2世帯で共有するものをいいます。

空間を共有することにより、常に身近に家族の存在を感じられ、精神的に安心感を得られる効果があります。

また、玄関や浴室などを共有すればスペースが節約できるメリットがあります。スペースが節約できればその分を他の用途に使用することができます。結果的に建築費の節約にも繋がりやすく、広さと費用の両方が節約できることになります

一方、同じ空間で生活をする共有型には逆に大変なこともあります。以下では共有型二世帯住宅のデメリットを見ていきましょう。

生活習慣の違いによるトラブルが発生する

親世帯と子世帯で家事のやり方や方法が違うことで、時に軋轢が生じる場合があります。
例えば料理の味付けや内容、掃除・洗濯の方法に違いがあることで、トラブルとなることは想定しやすいでしょう。

また世帯ごとの生活リズムが違うこともあり、一つ一つが小さな不満でも、それらが日々の生活で積もり重なることでトラブルへ発展してしまうこともあります。

これは時代背景や世代による感覚が違う関係で、大なり小なりどの家庭でも起こり得ます。
このようなことを防ぐには、話し合いの場を設けてルールを作るのも方法の一つです。もしくは完全分離型の住まいにして互いの生活を区切ってしまう方法も結構とられています。

いずれにしろ、共に生活をしていくということは。互いが互いを尊重し、理解しようとする意識こそが一番大事なのです。

プライバシーの確保が難しい

これもある程度想定できることではありますが、共有するスペースが多い場合、特に寝室などが隣り合う場合はプライバシーの問題が発生してしまいます。
一人の時間を確保したいときでも、共有型の二世帯住宅の場合多くの時間家族の気配を感じることになり、落ち着いた時間の確保が難しくなります。

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3.完全分離型二世帯住宅のメリットとデメリット

完全分離型二世帯住宅とはその名の通り、それぞれの世帯の生活空間が完全に分離している二世帯住宅となります。
共有型二世帯住宅とは異なり、キッチンやリビング、玄関、お風呂などすべての空間が別々になっているのです。

共有型の場合、生活空間をともにすることから生活習慣の違いによりトラブルを生じがちであることをお伝えしました。
これに対し、完全分離型は玄関から水まわりまで生活空間が別なため、他の世帯に対して生活上の干渉が少なくなり、トラブルは少なくなります。

例えば夜遅くに帰宅した場合でも共有型ほど気を遣う必要もなく、食事や入浴なども別空間で行えるため気兼ねなく生活できます。

ただ、鉄筋コンクリート造でない限り上下階や壁越しでも音や振動が伝わってしまうので、木造を検討している場合は騒音や振動に関する配慮が必要です。

他にも、例えばいずれ親世帯が亡くなってしまったときには、空いてしまった居住空間を賃貸として活かせるというのも完全分離型の強みといえます。

完全分離型のデメリットとしては、やはり設備機器の費用がかさむということに尽きます。
玄関から水まわりまで空間と設備機器などを2世帯分用意する必要があり、設計内容によっては住宅を2戸建てる費用と大差が無くなってしまう場合があるので、注意が必要です。

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4.まとめ

一つの家に二つの世帯が同居する二世帯住宅はどうしても生活習慣の違いによる影響を受けてしまいがち。ですが同居によって得られる大きなメリットもあり、二世帯住宅が望まれるケースが多くなっています。
デメリットは、家族みんなで相談することによって解消できる余地がありますので、二世帯住宅を検討している方は事前にしっかりと話し合うようにしましょう。

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