無垢の床材をどれにしようか検討する際、候補として挙がる材の一つにオークがあります。
オークのはっきりとした木目は重厚感があり、合板フローリングの柄にもオーク柄はよく設定されています。
オークは床材としての馴染みがある材といえるでしょう。
では、オークとは実際どのような素材なのでしょうか?
今回は、オークの特徴について説明しますので、素材選びの参考にしてみてください。
1 オークとは
オークは、ある一定の樹種をまとめて指す言葉です。
特定の種類の木から取れるもののことではなく、ブナ科コナラ属に属する種をオークと呼びます。
オークが指す種はあわせて数百種以上が知られ、亜熱帯から亜寒帯まで北半球に広く分布しています。
日本語では落葉樹のコナラ属はナラ(楢)、常緑樹のコナラ属はカシ(樫)と呼ばれますが、オークはその両方の意味を持ちます。ただし、基本的にはオークといえばナラ(ミズナラ)のことを指すようです。
古代ギリシアでは「母なる木」と呼ばれ、神が作り出した木だとされていました。様々な神話にも聖なる木として登場し、神事にも頻繁に使用されました。
これは、オークが木材として人々の生活の中で重要な役割を果たしていたからでしょう。
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2 オークの特徴
昔からワイン樽やウィスキー樽の材料や船舶の材料として使用されてきたオークは、他の樹種と比較して高い耐久性と耐水性を持ちます。
また価格は数ある樹種の中でも比較的リーズナブルであり、使用しやすい材料といえるでしょう。加工性も良いため、耐久性とのバランスも良いです。
素地はチークやウォルナットなどと違って淡いグレーに近い色合いのため、様々な着色も行ないやすいです。
木目が落ち着いており、表面仕上げによってはシックな雰囲気を醸し出してくれるので、長い目で見て飽きがきません。
フローリングとしては無垢と合板の2種類があります。
無垢フローリングの場合は初期費用こそかかるものの劣化する事もほぼなく、半永久的に張替えなどの必要はありません。
合板フローリングも現代的な作りの住環境に於いては特に劣化を気にすることは無いでしょう。
2つの違いは見た目の趣き(深み)です。やはり無垢の方が高級感を醸します。
以上より特別なデメリットというのはありません。
強いて言えば、無垢のオークフローリングは耐久性が高い反面柔軟性が低く、杉など針葉樹に比べて柔らかさや暖かさは少ないということが挙げられます。
ただし、柔軟性を重視すると傷がつきやすくなるというデメリットも生じるため、これは純粋なデメリットというよりは、特徴のひとつと捉えたほうがいいかもしれません。
合板フローリングの方は表層のオーク材が薄いですので、他の樹種との違いというほどのものは生じません。従ってメリットデメリットを特別視する必要もありません。見た目の雰囲気(商品によっては節は木目の感じが異なるかもしれません)で決定して良いでしょう。
またオークと言われる括りの中でもナラ材はポピュラーで無垢でも合板でも使用率が高いと言えます。
床材として使用すると「よく見るタイプの無垢の床材」と思われてしまうかもしれません。
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3 ナラとの違い
先にも述べた通りオークとナラは同じ種の属性で、オークという括りの中にナラが含まれている形です。
但し床材として流通しているオークはミズナラであることが多く、言葉的にもややこしいですね。
では、実際に商品として流通する“ナラ材”と“オーク材”は何が違うのでしょうか。
これらは主に産地の違いで分けられています。
国産やロシア産のミズナラから取れた材が主にナラ材と呼ばれます。ロシア産のナラ材は目が詰まっていて良質な木材になります。
その他の産地で取れたミズナラが、オーク材と呼ばれる様です。
このオーク材の中で近年流通量の増えきたものに、北米で採れるホワイトオークがあります。
ナラ材とホワイトオーク材を比べると、見た目はほぼ一緒ですが、若干ホワイトオークの方が目が粗いという特徴があります。
これまで日本の木材業界では、評価の高いロシア産のナラが多く使われてきましたが、ここ数年でロシアが輸出制限するようになったことや、ナラがワシントン条約の認定を受けたこと、関税が高くなったことなどで入りにくくなりました。
そのため日本国内でナラ材の供給が減少傾向になって価格が高騰したため、代わりに注目されてきたのが北米産のホワイトオークと言う事です。
北米産のホワイトオークは産出量が多いため、量の確保ができます。今後、ホワイトオーク材のシェアが日本内でも大きくなることが予測されます。
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4 まとめ
オークは、ブナ科コナラ属に属する樹木の総称ですが、基本的にミズナラのことをオークと呼びます。
しっかりとした耐久性・耐水性をもちながら比較的リーズナブルな価格であり、コストパフォーマンスに優れた樹種です。その特徴から日本において最も多く用いられる床材のひとつです。
床材選びの参考にして戴けましたら幸いです。