屋根に設置されたトップライトとも呼ばれる天窓。
おしゃれな家の雰囲気はさることながら、部屋の中に光を取り入れたり、換気を確保するためなど快適な空間を作り出すためにも取り入れたい天窓ですが、実際に設置を検討したいと思う人も多いはずです。
しかし、天窓には少なからずデメリットも存在しますので、設置してから「こんなはずではなかった…」とならないように事前に知っておく必要があります。
この記事では、天窓を入れることのメリットとデメリットについて詳しく解説します。しっかりと理解して導入を検討してみましょう。
天窓の5つのメリット
天窓をつけた場合のメリットとはどんなものがあるのか、まずは見ていきましょう。
隣を気にせずに窓を開けられる
隣との距離が近い都会の家ですと、壁の窓は隣家と非常に近いことが多いです。
ですので、なかなか開けることができずカーテンを閉めたまま。光も風も採り込むことができないというケースがあると思います。
そんな場合、天窓なら窓が天井についていますので隣家を気にすることなく自然光を取り入れやすくなります。
さらに天窓は壁に設ける窓の3倍も光を取り込むことができると言われており、部屋の広範囲に光をもたらしてくれます。
普段から薄暗い北側の空間に設置すると最適です。
効率的に空気を循環させることができる
無風の日は、壁の窓を数箇所開けても室内の空気がなかなか入れ替わらないことがあります。
天窓であれば、ドラフトや煙突効果と呼ばれる“暖かい空気が上昇する性質”を活かし、室内の空気循環を促すことも可能になります。
そうすることで効果的な空気の入れ替えを行うこともできます。
セキュリティ面が高い
防犯の点からみても安心なのが天窓。
特に都心部の住宅の場合、通常の窓は開け放しにしておくのは不安になりますよね。
しかし屋根の上の窓であれば、進入の可能性が格段に低くなるため開け放しで寝ることもできるのです。
家具の置き場の自由度が高い
どうしても置きたい家具があるのに窓を塞いでしまうため置けないといった場合があると思います。特に部屋が狭く置きたいものが多い場合、困りますよね。
しかし天窓を設置する事で壁の窓を減らせれば、家具を置くスペースが確保し易くなり、採光も確保できます。
このように限られた室内空間を有効に使えるということも天窓メリットといえるでしょう。
デザイン性
また、デザイン面でもアクセント効果があると言えます。
感覚的なものではありますが、屋根に天窓がある家を外から見るといくらかスタイリッシュな印象があります。
お洒落な雰囲気に惹かれて設置する方も実際に多くいらっしゃいます。
また家の中から天窓越しに見える青空や白い雲、夜空の月や星のかがやきなど、自然の風景を切り取ってくれる効果も。
こうした美しさが癒やしをもたらし、日々の暮らしにも彩りを与えてくれます。
天窓のメリットまとめ
- 隣を気にせずに窓を開けられる
- 効率的に空気を循環させることができる
- セキュリティ面が高い
- 家具の置き場の自由度が高い
- デザイン性が高い
このように天窓を設置することで多くのメリットがありますが、次にどのようなデメリットがあるのかを見ていきましょう。
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天窓の4つのデメリット
天窓を設置した場合、デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
夏は暑く感じる
採光が十分に確保できるというのが天窓のメリットですが、逆に採り込みすぎるというデメリットがあります。
特に夏場は日光がかなり差し込みます。
天窓の採光量が壁に設けた窓の3倍と先に述べましたが、それゆえ家の中にいて日焼けしてしまうくらい暑く感じてしまうこともあります。
天窓用の遮光ブラインドを設置すればある程度防ぐことはできますが、実際には面倒で開け閉めを行なわずに、開けているか閉めているかのどちらかになってしまう家庭も多いのが実情です。
計画の際はできる限り北傾斜の屋根面に設置する様にしましょう。
掃除がしにくい
天窓は、高い位置に設置していることから、どうしても掃除がしにくいです。最初はクリアだったガラスも時間が経つにつれ落ち葉や花粉、ほこり等の付着汚れでいくらか曇ってしまします。
実際のところ気にならない人が多いですが、お手入れは大変です。
内側はなんとか脚立などを使って掃除出来たとしても、商品によっては屋根に登らないと外側のお手入れが行えません。
また吹き抜け上部に取り付けた場合は内側からの掃除さえ難しくなるのが難点です。
このあたりは充分踏まえる様にしましょう。
雨音が気になる
実際に天窓を設置して気になってくるのが雨音です。
天窓の下で仕事や家事などを行う場合、うるさいというほどではありませんが、雨が降り始めたときは天窓に当たる雨音で気づくことが多いです。
特に寝室は静かな環境にすることが望ましいので、設置をご検討の際にはこの点を意識したほうがよいでしょう。
定期的なメンテナンスが必要
天窓は屋根に穴を空けて設置するものです。つまり雨漏りなどのリスクがあるということです。
メーカーでもその問題に注力し屋根との接合部分の防水処理には力を入れて取り組んでおり、窓の廻りの隙間はコーキングやパッキンなどの弾性樹脂などで塞ぐことになります。
しかし、樹脂は年数が経て劣化とともにひび割れが発生し、そこから雨が染みこむようになることは避けられません。
普通の壁の窓でも同じことが言えますが。天窓は屋根の上にあり紫外線の影響を直接受けるためコーキングの劣化は壁窓よりも早いです。
こうしたことから天窓は定期的なメンテナンスが必要となります。
基本的には10年を目安に考慮する様にしましょう。
デメリットまとめ
- 夏は暑く感じる
- 掃除がしにくい
- 雨音が気になる
- 定期的なメンテナンスが必要
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まとめ
天窓はスタイリッシュに見せる効果もあり、あこがれる方も多いでしょう。
しかし常に日射や雨に晒される過酷な場所であるため、設置する位置やメンテナンスコストについてはしっかり意識しておく必要があります。
その点をしっかり踏まえておけば明るさや開放感が格段に増して快適性を高めてくれるという良い部分も多分に享受できますので、ぜひ検討してみましょう。