外構計画のポイントやスケジュールの考え方について詳しく解説

外構計画のポイントやスケジュールの考え方について詳しく解説

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注文住宅を建てるにあたり、見過ごせないのが外構計画です。

家の「顔」となるエクステリアは、家の中と外との懸け橋となるデザインが求められ、かつ住宅本体の予算を圧迫しないコストパフォーマンスの良さも求められます。

ただ、外構計画にあまりピンとこないという方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、外構計画のポイントと、その進め方について詳しく紹介していきます。

目的を踏まえた外構計画のポイント

外構計画をスムーズに進めるために、まずは外構計画に必要となる目的を考えてみることをおすすめします。

いくつか目的を洗い出すと、自然と優先順位がついてくると思います。その優先順位にもとづいて計画すると、完成までのスケジュールがスムーズに進むはずです。

ちなみに、エクステリアに求められる基本的な目的をふまえ、計画のポイントとして以下のような項目が挙げられます。

プライバシー保護

家の中で過ごす姿が外部の人に見られるのを防ぐ効果があります。

プライバシーを考慮したプランを外構に盛り込むことで、プライバシー保護と開放的な空間という一見相反した2つの要素を手に入れることができます。

例えば高めの塀で囲った中に庭を設け、その更に内部をリビングルームにすると、道路に面した部屋でもカーテンを開けたままリラックスして過ごせます。
より開放的に過ごせるのは心理的にも良い効果があります。

防犯

不審者の侵入を防ぐことも、外構の大きな役割の一つです。
侵入防止としては、大きくは視覚と聴覚の2つの観点から対策を考えることができるでしょう。

視覚対策は先ほどのプライバシー保護の話と関連しますが、具体的な外構プランとしては外部からの視線を遮る植栽や塀などが考えられます。

やはり外から内部が見える環境だと住人の在宅・不在がわかってしまう他、場合によってはリビング・寝室などその部屋の用途まで推察できてしまうからです。

一方外からの視線を回避するために前述ような高い塀を構築してしまうと、防犯錠逆効果になってしまう考え方もあります。一旦塀の内側に入られてしまうと、外側からは発見しにくくなってしまうという事です。現在はこの様な考え方も浸透してきており、低い塀や部分的に配した塀、透け感のある生け垣などによって開放的に構成する住宅地が多くなりました。

聴覚対策となる外構プランとしては、例えば建物周りや特に窓下を砂利敷きにすることが挙げられます。人目につきにくい窓が1階にあれば、そこへの侵入対策は必須と言えますね。面格子を付けるなど建物側での対応も重要ですが、直下に砂利が敷いてあれば踏みしめる音を犯人が警戒します。

更に塀を部分的に透け感を持たせたり、センサー器具と組み合わせる事などもおすすめです。近くにセンサー付き照明やカメラがあれば、より侵入しにくい家と認識されるでしょう。

敷地境界を示す

これも外部からの侵入を防ぐための要素と言えます。

必ずしも塀やフェンスで囲わなくても、境界を示し、外部の人から「ここからは入ってはいけない敷地」と心理的に認識してもらうことが重要です。

敷地境界の辺りに少し植栽を植えたり、地面の仕上げを道路や隣地と区別できるように変えたりします。
そのように境界線を明確に示すことで、隣地が住宅の場合には何かとトラブル防止になりますし、街なかの住宅なら不特定多数の人が敷地内を歩いてしまうことを防ぐことができます。

駐車スペースの確保

マイカー所有の方には欠かせない項目です。

車を雨風から保護するならガレージやカーポートなど屋根のあるプランを検討したり、こだわりの車なら展示も兼ねられる位置に配置するのも良いです。

また最近は車を所有しない人もみられます。ですが来客を想定し、植栽デザインの中に溶け込ませる方法もあります。

ライフスタイルに沿った駐車スペースを計画しましょう。

風・音対策

外構は、風雨から建物や内部環境を守る役目も果たしてくれます。

リビングルーム側の外壁から庇を大きく出し、庭と一体化した半屋外デッキを室内から一続きにするなど、プランによっては天候に左右されない豊かな空間づくりが可能となります。

また、厚さ・高さのある塀や生垣などの外構は、騒音対策としても非常に有効です。

外を通る車の音や工事音が室内に入るのを軽減させてくれるだけでなく、ホームパーティーや楽器の練習音、オーディオ機器など家の中から出る音が外に直接響くのを防ぐ効果も期待できます。

デザイン

周辺の建物や景観と、計画している自宅建物の外観からインテリアまでのデザインにつながりを持たせる効果がエクステリアにはあります。

内装材と外壁、そして外構に使う素材の色合いやテイストを統一するなどし、うまくデザインを調和させることができれば、室内にいても外部まで一続きの空間として捉えることができ、実際の部屋の広さよりもかなり広く感じさせることが可能となります。

これらをふまえ、いよいよ外構計画を立てていきます。

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外構計画のスケジュール

おおまかなスケジュールは以下のとおりです。

1.外構の予算を立てる
2.外構に求める事がらをまとめる
3.計画立案
4.プランと見積りを比較してフィードバック
5.外構の施工契約へ
6.外構工事
7.工事完了・引渡し

では、早速各プロセスについて順番に見ていきましょう。

1.敷地の現況をしっかり捉え、外構の予算を立てる

一般的な木造住宅における外構の平均予算はおおよそ150万円と言われています。

もちろん建物を建てる場合と同様に、こだわればこだわるほど費用は上がっていくものです。

またデザインや機能以前の問題で、土地に高低差があり土留めが必要な場合や土地全体を塀やフェンスでぐるりと囲む場合など、周辺環境に由来する要因で更に予算を要する事もしばしば。予算オーバーになる可能性も考えられますので、敷地の条件などを踏まえ、前もって建物設計者や施工者に確認しおくことをおすすめします。

もう1つ重要なのは、既存の境界塀が古くて建築基準法で定める強度を満たせていない場合や、それが隣家と共有であったりする場合など。また土地境界が曖昧で造り直す位置が不明瞭である場合には隣家との協議が必要になる事もあります。

以上のような理由から可能な限り建物と並行して計画し、余裕のあるスケジューリングと予算編成ができると良いでしょう。

予算組みが厳しい場合には、建物の新築時に外構を一気に完成させるのではなく、何期かに分けて予算を分散させて行うのも一つの手段です。

少し手間をかけられるひとならDIYもおすすめ。建物と違って外構部分なら多少仕上がりが荒くたって笑って許せる部分もあります。自分たちの好きなデザインやライフスタイルも思い切って表現できるのではないでしょうか。

なお、自治体が緑化計画の義務化をしている場合があります。地域や敷地面積等によって異なりますが、注意が必要です。

2.外構の要望をまとめる

実は大きなくくりでは前述した予算立ての際にも要望(方針)は必要になります。

ここではより具体的な部分の要望、外構計画の方針に添った詰めです。

この記事の冒頭で述べたポイントを参考に、自分達だったら何を優先するかを考えていきます。

建物の計画でカバーできる要素があれば、外構で賄わずに済む事もあるかもしれませんね。

トータルバランスも考慮し、家族で話し合いながら項目を挙げ、各項目の優先順位をつけていくと良いでしょう。

3.計画案を作成

おおよその要望がそろった段階で具体的に図面化します。

考えが図になりますので理解度も進みますし、建物とのバランスも見えてきます。

建物の計画と一緒に進めれば、外構計画を建物にフィードバックできて合理化/効率化に繋がる事もあります。

なお、方針設定からプランの相談を経て完成までは1~2か月かかるのが一般的です。

4.プランと見積りを検討する

具体的なプランが出来上がると、それをもとに見積もりが作成されます。それに基づいて方針の再チェックや予算設定の変更等について検討します。

まずプランの提案内容が具体的かつ魅力的であるかを見直し、見積りに関しては内訳まで目を通して要望した項目が盛り込まれているかどうかを確認します。

金額的に余裕が出ていれば良いですが、往々にして予算オーバーになりがちです。先述したように優先順位に添って見直し、代替案をもらいながら詰めて行きましょう。

5.外構の施工契約へ

内容とバランスに納得が出来たら、工事の契約です。

この段階で必ずしも詳細な仕様確定を要するわけではありませんが、可能なら確定させるのが一番です。

外構は門や塀/フェンスだけで無く、アプローチや犬走りなど建物に絡む要素もあります。施工する土地環境によっては、外構に含まれる要素を建物工事と併せて行えると金額的に合理化できたり近隣対策上も有効になる事もあります。そしてそれが建物工程上の品質確保に繋がる事もあるのです。

例えば建物際にタイルのアプローチを設けたり、植栽帯や駐車スペースを隣接させる計画は良くあります。土地環境によっては土間の下地コンクリート打ちを早めに行えると、予算的にも作業のし易さ(人や物の出入りや資材・車の置き易さなど)の点でも有利になる事があります。また防犯や利便性を考慮した電気配線を行うのであれば、二度手間にならず施工可能になります。

更に、外構の意匠が建物と同時に決まってくると、排水枡や外流し、散水栓といった建物周りの付属物も、位置関係をより詳細にコーディネートできる様になります。

6.外構工事

建物の施工には足場が必要となり、それが撤去されないと基本的に外構工事は困難な事が多いです。従って主要な外構工事は建築工事の終盤から始まります。外構工事は道路と建物を繋ぐ部分が見せ場となるため、一定の期間建物への出入りに制約が生じることがあります。

そういう事もあって外構計画が事前に定まっていれば、完成・引き渡しから引っ越しまでスケジュールが前もって明確化し、動きをとりやすくなります。

一般的な工事スケジュールとしては建物の完成間近に工事開始。その後特殊な要素が無ければ2週間~1か月で完了することが多いです。

もし高低差の土留めなどが必要な場合には、その程度や建物との距離にもよりますが、建物の着工前に先行して工事される場合があります。

外構工事で敷地の入口がふさがれてしまうと、建物の引き渡しが済んでいた場合には引っ越しが待たされてしまったり、引っ越し後であれば出入りに困難を来してしまうケースもあります。
くれぐれもこの辺りを踏まえていただくと、終わり良くなります。

7.工事完了・引渡し

外構工事が完了し引き渡しとなったら、建物と同様に一通り仕上がりをチェックします。

図面通りに完成しているかどうかに加え、傷や汚れ、設備関係の作動なども確認します。特に傷や汚れに関しては、後で発見して申し出ても受け付けられない場合がほとんど。これはいつ誰が起こしたものなのかが不明瞭になるためです。必ずその場で目視確認してください。

なお、各種外構設備に関しては、保証期間やアフターサービス、メンテナンスに関しても聞いておきましょう。

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まとめ

外構計画のポイントとスケジュールについてご紹介しました。
以上をふまえ、次のようなことを念頭に外構計画を進めていくと良いでしょう。

・目的を明確にし、ポイントをおさえる:
お金をかけてでもやりたいこと、優先順位としては下げても良いことを分け、計画している注文住宅の外構としてふさわしい要素を絞り込み、オーダーします。

・デザインは外部からインテリアまで一続きに考える:
計画や予算の内容にかかわらず、周辺の環境を内部空間に取り込めるようなプランにすることでお部屋を広く見せることができます。

・敷地条件をしっかり踏まえ、予算とスケジュールを調整:
新し整備された住宅地なら良いですが、古い宅地の場合は境界が曖昧であったり古い塀が問題になる事があります。また高低差のある土地では建物に先行した外構工事が必要となる事もあります。こうしたことは、建物と計画する設計者や施工者に早めに確認しておくようにしましょう。

・外構計画はできる限り建築計画と平行させて:
建物と並行した計画は金額・デザイン両面でトータルバランスがとれ、互いを補える事もありますし、施工上の合理化に繋がる事もあります。更に進め方によっては建物が完成しても引っ越しの目処が見えないと、引っ越し料金にも影響が出てしまう事もあります。余裕を持ち計画的に進める事で最終的に良い住まいが生まれます。

家に華を添え、「顔」にもなるエクステリアですが、デザイン面だけで無くより現実的に抑えなくてはならない要素もあります。安心と納得の仕上がりにできるよう、準備段階からスムーズに段取りをしてください。

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