帰りたくなるような家や友達が集まってくる家など、あなたにとって「居心地のいい家」とはどんな家でしょうか?
「居心地のいい家」を作るにはどうすればいいか、と気になる人も多いかと思います。
一口にくくれる話題ではありませんが、今回は居心地のいい家を作るためのポイントを幾つか取り上げ、自分も家族も来客もくつろげる家づくりについて考えてみましょう。
1.居心地のいい家にするための間取りの考え方
居心地のいい家を考えたとき、優れたデザインが五感にもたらす満足感や優れた耐震性がもたらす安心感というのも確かにあります。ただ、家族が寛いで楽しく会話ができたり、日々の生活に生じる様々なシチュエーションに対して使い易い事も大切です。
理想を追い求め過ぎたり客観的な視点(見え方)にとらわれ過ぎたりせず、まずは「自分達らしい居心地をつくりだす家」という視点から考えてみましょう。
自然と家族の会話を生む間取り
家づくりの基本は、そこに住む家族がどのような生活を送るか、具体的なイメージを固めることです。
家族のコミュニケーションが沢山生まれる家にするには、LDKを中心とした間取りが基本になると思います。
現在子育て世代を中心に満足度が高いのは、カウンターキッチンを中心としたLDKの間取りです。
料理を作りながらソファやダイニングテーブルにいる子どもと会話する、洗い物をしながら対話に付き合うなど、家族と向き合いながら家事もこなせる間取りは非常に大きな効果があります。
リビング収納を設ける
物が散在せずスッキリとしている部屋は、いつ誰が来てもストレスの無い快適な時間を過ごすことができますよね。
そんなとき、リビングに大きめの扉付き収納があると大変重宝します。
家族が最も長い時間を過ごすリビングは、本・雑誌類やおもちゃなど、とにかくモノが多くなりがち。扉で覆える大きめの収納は、リビングにこそ取り入れたいアイテムです。
内部を細かく造り込んでも良いですが、ざっくりとした棚があるだけでも便利です。
ごちゃごちゃとしたものをさっと隠すことができ、必要なときにパッと持ち出せる環境は家族のリビング滞在時間を増やし、より豊かな団らんの時間を過ごすことができるはずです。
室内環境を良くする
もうひとつ、物理的に心地良い環境をつくるための間取りのポイントを紹介します。
簡単に言えば、採光と通風を良くすることが基本となります。
当然ですが、日当たりのよい南側にリビングなど窓の大きな居室を配置すると昼間照明が不要になり、冬場は太陽熱によって暖かく過ごすことができます。
そしてそこにプラスワンポイント。
吹抜けや天窓、方位に応じた窓の高さ設定などを考慮する事で、夏・冬の熱環境が改善し、空間を豊かにする事も可能になります。
さらに土地環境に応じた風向きを読み、それを合理的に呼び込む配置計画が出来ると更に良いでしょう。
地域によっては南北よりも東西、或いは北西~東南が良いなどと言う事もあります。これは卓越風と言いますが、都市環境では周囲の建て込み方で更に変わる事もあります。
風通しが良い家、熱の流れが良い家は、省エネ効果も高くなります。
60年以上本物の注文住宅にこだわり続けた
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2.居心地のいい家にするためのインテリアとは?
インテリアの素材で心地よさを
家の中に「お気に入りの場所」があると、帰るのが楽しみになりませんか?
特に直接身体に触れる足元やチェア・ソファを好きなものにすると、非常に居心地の良い空間になります。
ソファの足元にラグを敷くという方法もおすすめです。
シャギー素材やウール製のものなど、足触りのいいラグを敷くとくつろぎ度もアップします。
新築を検討している場合には、例えば床材を無垢のフローリングにすることで、素足で歩いた時に夏はサラリとして冬は温かく、自然素材ならではの心地よさを実感することができるでしょう。
他には、壁に自然素材を取り入れるのも効果的です。
例えば左官による塗り壁の一種である珪藻土は、植物由来の調湿効果やニオイの吸着機能も持っています。
見た目にも柔らかな質感で色のバリエーションも豊富なため、和室のみならず洋風のインテリアにもマッチし、部屋を機能・デザイン両面から心地よく演出してくれます。
これらについてはこちらの記事もご覧ください。
色調を揃える
インテリアに色を使いすぎると雑多で落ち着かない印象を与えてしまいます。そのため、インテリアの色は三色程度に抑えることがおすすめです。
一番面積の広い部分は明るい色、随所に暗めの引き締め効果のある色、そしてアクセントで鮮やかな色でまとめることで、メリハリや華やかさを感じさせながらもまとまりのあるインテリアコーディネートを完成させることができます。
具体的な例としては、面積の広い床や壁、天井、ソファ、テーブルをオフホワイトやライトブラウンに、カーテンやラグにはチャコールグレー、といったバランスなど。そこにアクセントでピンク色のクッションだったり花などが入るとポイントになって良いでしょう。
色の分量の参考にしてみてはいかがでしょうか。
圧迫感をなくす
家具を置けば置くほど部屋を狭く感じさせ、圧迫感や閉塞感を生み出してしまい居心地の良さを低減してしまいます。
そのため、家具は最小限に抑えることができれば理想的です。収納家具はなるべく新規で置かず、可能な範囲で造り付けができれば非常にスマートです。
照明設計の落とし穴
部屋の雰囲気に影響を及ぼす照明ですが、リビングには電球色で落ち着ける空間を作りたい、と考えている方も多いかもしれません。
しかし毎日の生活の中では、子どもが宿題をしたり、新聞や雑誌を見る事もあります。
そうすると、電球色だと照度が不足する場合があります。
目が疲れるような空間になってしまうとデザイン以前の問題です。とはいえショールームの様にこうこうと明るいのも雰囲気が出ません。
ポイント照明と周囲照明の組み合わせや間接照明、調光調色灯の採用など、部屋の用途や空間のバランスを考慮しながらメリハリを持たせてみるのも良いでしょう。
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まとめ
居心地の良い家にするには、生活の実態をイメージし、会話が多くなる空間づくりに繋がると最高です。
・手元の隠れるカウンターキッチン
・リビング収納
・心地よいソファや床
・家具は少なく
・雰囲気と作業を考慮した照明
以上の様なポイントをお役立ていただけたら幸いです。