【事例付き】古民家風住宅を建てるときに考えておくべきこととは?

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近年、古民家を再生してリフォームすることが注目を集めています。

ただ、既に古民家をお持ちの方ならともかく、建物の入手から考えようとするととても大変です。
立地条件、間取りの適不適、インフラも含めた建物の状態などを総合して行くと物件数が非常に限られ、再生費もそれなりですのでハードルが高いです。

そこで、現代の機能を備えながらも古民家風の魅力を持たせた新築住宅という選択肢にも目を向けてみてはいかがでしょう。
ただ、憧れだけで古民家風住宅を建てる前に知っていただきたいことがいくつかあります。
今回は、古民家風住宅を建てようと検討している方に向けて大切なことをお伝えします。

また、実際の事例紹介や建築相談で聞いておきたいことについてもお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

1 古民家風住宅を建てるにあたり考えておくべきこと

まず古民家というと、黒々とした柱と梁で構成された、重厚な建物を思い描く方が多いでしょう。
これは無垢の木材を太く使うことで、年月が作り出した結晶とも言えます。

ですが現在はこうした昔の造りそのままを実現する事が難しく、特に都市部では防火の規制が厳しくなるため簡単ではなくなっています。
ですが階数や規模によっては建物内部での実現が可能ですので、敷地の法的制限や建物の想定規模をしっかり確認する様にしましょう。

尚、古民家風住宅にするのであれば壁などの仕上げに漆喰をはじめとする左官塗り壁を採用すると雰囲気がグッと高まります。

“家を建てる”というと、まず大手ハウスメーカーを検討される方が多いと思います。
ただ、木造メインのハウスメーカーであっても基本的に合理化されたシステム生産が前提となるため、住まいをより本物の古民家に近付けることは簡単ではないとお考えいただいたほうが良いでしょう。

古民家風住宅を検討されるのであれば、伝統的な木造軸組み工法を扱える業者に依頼するのが望ましいといえます。

古民家事例紹介

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2 古民家風住宅の建築にかかる費用について

古民家風住宅を建てる際にどれくらいかかるのか、というのは気になるところですね。

先ず古民家風住宅の本質は職人の手仕事にあると言え、当然ですがその度合いによって完成度に違いが生じてきます。

基本的に建築費用は大きくなり、ハウスメーカーの普及価格帯では実現しにくいと言えます。

古民家風の家にすることによってコストが変わってくる主な部分は以下のようなものです。

  • 木工事(木材費が産地や太さの分高くなる、その分大工手間もアップする)
  • 内装(左官工事、漆喰や無垢板はクロスの4~5倍の価格)
  • 木製建具(工場生産品ではなく建具職人による製作)
  • 塗装費(自然の木が表しとなった部分や建具などを塗装)

こうした部分をちゃんと踏まえて考えると、坪単価100万円以上~とお考えいただいた方が良いでしょう。住宅は検討する部分が非常に多岐に渡るため、施主がどこにどこまでこだわるかによってコストは大きく変動します。上限はキリがありません。

もちろん、例えば居間だけを古民家風にするとか、少しカジュアルダウンした雰囲気でも良いなど、施主の意識によっても様々ですので、必ずしもとは言えない部分はあります。
全ての壁を古民家のように漆喰塗りにするのか、部屋によってビニールクロスも交えて考えるのか。床を無垢材とするか、シート貼りの複合フローリングも交えるかなどなど。こうした内容で費用は大きく変わってくるからです。

このほか古民家風に限りませんが、水まわり設備などの仕様(グレード)によっても費用は上下します。

考え方次第で一概に「費用はいくら」と言えなくなるため、ご自身が何にこだわりたいのかを明確にし、ご家族と相談して予算を決めておくことが重要です。

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3 古民家風住宅の事例

ここでは実際に杉坂建築事務所で手がけた古民家風住宅の事例をご紹介し、どういった点がこだわりなのかをお伝えします。
ぜひ参考にしてみてください。

古色仕上げの柱・梁と漆喰壁が特徴的な家

杉坂建築事務所施工

古色仕上げの柱・梁と漆喰独特の白がコントラストとなっており、長い年月を経た古民家のような味わいがあります。
張り物を用いず、国産無垢材を使った昔ながらの真壁構造(柱や梁が表れている壁)とすることで、古民家らしい佇まいが表れます。

古建具を採用した住まい

杉坂建築事務所施工

こちらの住まいでは、各所に古民具店で購入した古建具を使用しています。

上の写真は、下足入れ(左)とクローゼット(右)に古建具を組み込んでおり、玄関ドアを開けるとまず目に飛び込んできます。
当時の職人さんの丁寧な仕事ぶりが模様によく表れています。

杉坂建築事務所施工

寝室の入口にデザインガラス入りの格子戸(古建具)を採用しました。
アンティークの色ガラスが空間にアクセントを与えます。

照明にも古い電笠を使うことで、新築なのにどこか懐かしさを感じさせる雰囲気を醸し出しています。

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4 建築相談で聞いておくべきこと

古民家風住宅を検討したい方が業者に建築相談するときに聞いておくべきことを解説します。

古材や古建具は使用可能か?

古材や古建具は古民家風の住宅でよく採用されます。

例えば建替前の家の古材や建具などを再利用し、慣れ親しんだ家の思い出や愛着を遺したり、あるいは古民家で実際に使われていた古材や建具を購入・再利用することで古民家そのものの味わいをもった新築住宅にすることができます。

ただし、一般的には既製品の建具しか使えなかったりするなど、古建具利用への対応ができない業者の方が多いと言えます。
始めのうちは再利用可能と言っていても、実施設計の段階で既製品へのシフトを促してくる様な話も聞きますので注意が必要です。

古材や古建具などの再利用が対応可能かどうか、施工事例を見せてもらうなどしてよく確認しましょう。

仕様を選べるか?

床材は桧や松、欅などの無垢材、壁は漆喰や土塗りなど、古民家には自然素材が多く用いられています。

新築で古民家風の家づくりを実現するには、デザインをイメージした仕上げ方だけでなく仕上げ材を選ぶことが可能かどうか確認しましょう。

また、古民家といえば「白い漆喰壁に太い柱と梁」というようなイメージを持つ方も多いかと思いますが、多くのハウスメーカーなどではなかなか実現できない部分です。

そのため、注文住宅会社や設計事務所など仕様を自由に選べる業者選びが望ましいでしょう。

細かいこだわりまで実現してくれるか?

家族それぞれに好みやこだわりといったものがあります。
それらをしっかりと汲み取りプランに盛り込んでくれる事は当然大切です。

それと共に、古民家風を実現する細部の造りや配置・素材などのチョイスも、実は仕上がり感を左右するポイントになります。

細部は任せるほか無いかもしれませんが、ご自身のこだわりは打合せの段階でしっかりと伝える様に出来ると良いですね。

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5 まとめ

古民家風の家造りはできるだけ歴史や実績のある会社にお願いするほうがよいでしょう。

例えば梁の形や太さなど、いわゆる見せ方や組み方というのは設計者の経験量や大工さんの熟練度次第で仕上がりに大きく差が生じます。

また、塗り壁にしても左官屋さんの腕によって表情に差がでてくるので、熟練した職人さんをかかえている業者さんにお願いすることが大事です。

満足する家づくりのためにも特に業者選びには気を配りましょう。

出来るだけ施工事例を見せてもらうなど、足を運んで信頼できる業者を見つけることが満足のいく家づくりの第一歩です。

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