ナラ材は重厚感があり、耐久性や耐水性に優れているため床材として使用されるケースが多い材料です。
無垢材には様々な種類があるので、どれを使うのがいいか迷っている方も多いのではないでしょうか?
また、ナラはオークに似ているため、何が違うかわからず混乱しやすい材料でもあります。
今回は、ナラの特徴や使われる場所について詳しく説明していきますので、材料選びの参考にしていただけると幸いです。
1 ナラとは
ナラは、日本では古くから使われてきた木材の一つで、木目が粗いため、見た目に重厚感があります。
沖縄ほど暑い気候でなければ育つというその性質から、日本国内だけではなく中国やロシア、モンゴルにも生育しています。このように様々な気候でもたくましく育つというナラですが、その環境に対応する力がナラ特有の強度を作り出しているのでしょう。
日本国内で伐採されるナラであれば、北海道産のナラが特に上質とされ、「Japanese oak」と呼ばれて世界的に受け入れられ輸出もされています。
現在、日本国内に流通しているナラ材の中で、この「Japanese oak」は数が少なく、使用されているナラ材の大半はモンゴル産なのです。
国産ナラの事を英語で「ジャパニーズオーク」と呼ぶと言いましたが、ナラというのはオークのことを指す言葉にもなるということです。
しかし日本国内で床材や建築資材を選ぶ際に、ナラ材という場合もあれば、オーク材という場合もあります。
これがナラとオークを混同してしまう理由かもしれません。同じ材料であるのに、なぜこのように分けて使われるのでしょうか。
実際のところ、オーク材とナラ材にはほとんど違いがありません。オーク材という幅の広いジャンルの中にナラ材があるという理解が正しいです。
これは、もともと英語でオークという言葉には常緑樹と落葉樹の区別がなく、土中の植物はすべてオークと呼ばれていました。
これに対し日本では、常緑樹をカシ、落葉樹をナラと呼び区別していました。そのため、しばしばナラ材とカシ材、そしてオーク材という3種類の木材は、混同されてしまいます。
同じものでもなぜ名称が違うのかは、主に産地の違いだけであり、木材そのものの質が違うというわけではありません。ヨーロッパや北米で生育されると、そのナラはオークと呼ばれ、日本やロシア、中国で生育されるとナラと呼ぶようになります。そのためオーク材もナラ材も木目や色目がほとんど同じであり、建築業界では同じ木材として扱われるケースが多いです。
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2 ナラの特徴と使用に適した場所について
ナラ材は重厚感があり、耐久性に優れているため、床材として使用されるケースが多いです。
家の中でも床材は傷みやすい部位であり、土足生活の欧米ならなおさらです。毎日人が何十キロという体重を掛けて歩き続けますので、年月とともに徐々に傷んできます。また、物を落としたり、テーブルを動かしたり、棚を動かしたりと、何かと床は衝撃を受けがち。
このように物を落としたり、こすったりしても傷がつきにくいという特徴からナラは床材に適しているとされます。
また耐水性にも優れているため、台所周りの床にも向いています。耐水性の高さは、ウイスキーの樽としても広く使用されるほどです。
さらに、ナラは元々が白っぽい色をしているため、塗装がしやすく、色のバリエーションを付けることができます。
どの色合いに塗装されたナラでも、もともとの材の持っている重厚感から落ち着いた仕上がりになり、どのような家具に加工したとしてもシックな雰囲気を持った家具に仕上がります。その木目はトラの毛並みによく似ているという特徴があるため、虎斑(とらふ)とも呼ばれています。
ナラは年月とともに最初は白っぽい色だった木も徐々に濃い深みのある色へと変化します。そのため、経年変化を楽しむことができ、何十年もの間、ナラの持つ深みのある色やその味わいを楽しむことができます。
デメリットを挙げるとすれば、強度が高いが故の堅さでしょうか。
これはナラ材に限ったことではありませんが、針葉樹系と比較すると大きな差異があります。土足生活なら気にすることはありませんが、靴脱ぎ生活なら柔らかめの方が心地良いです。加えて堅さ故のひんやり感もあります。
但しこれは他種と比較すれば..というお話で、とっても気になってしまう様なものではありません。性質としてそんな面もあるという程度に知っておいて下さい。
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3 まとめ
ナラの無垢材は、その重厚感や美しい木目の雰囲気が和風/洋風どちらにも調和します。
耐久性や耐水性にも優れていて使い勝手も良く、長年使ってもナラの持つ深い味わいを楽しむことができます。
価格的にもチーク材や桧材(節が少ないもの)などに比べて安価で使用し易いですので、採用を検討してみてはいかがでしょうか。